Coaching Method

■プレーの単純化

 コーチングで大切なことは技術を単純化することである。ゲームにおけるひとつひとつのプレーは単に動作的要素にとどまらず状況判断力や体力的要素、心理的要素といった様々なファクターが重なり合ってそのプレーの「質」を決定している。しかし、そういった様々な要素を含んだ複雑なプレーをいかに整理し、単純化し理解しやすく指導するかが大切である。

 

■技術と技能

 技術(tecnique)は単なる動作のかたちにすぎない。例えばAからBへパスをする。この動作の為に必要なのはパスの技術である。つまり適切なスピードで適切な位置へ。しかし、実際のゲームからかけ離れた状況下でこのような技術を使えるということはただそれだけの話しだ。なぜならそこには十分な時間がありスペースがありパスを妨害するディフェンスもいない。いわば全くプレッシャーのかかっていない状況下でパスをしているに過ぎない。実際のゲームでは数多くの技術からその場に応じた技術を選択しそれをいつどのように使うかを即座に判断し様々なプレッシャーを受けた状況下で用いる。これが技能(sukill)である。どのような練習を行うかを考えるときに、技術は技能の一部だということを認識しプラグラミングしなければ無駄な練習になることも十分に有り得る。繰り返し繰り返し反復練習した技術が実は試合では全く意味のないものになってしまうことに気づいていないコーチも少ないだろう。

>>詳しくは運動学習を

 

■ファンダメンタル

 単純化した技術をプレッシャーのかかった場面で確実に発揮することができる、それが技能である。ゲームにおける様々なプレッシャーや疲労の中で正しい動作が効果的に発揮できる段階にまでプレイヤーが到達した時、はじめて「基本ができている」と言える。

 

■累進的指導

 ゲーム中、たまたま成功したプレイの形を残像として、それだけを頼りに練習するだけでは確実なレベルアップは望めない。その技術・戦術の必要性となぜそれを行うのかを十分に理解させて上で、常に意識させ習慣化するまで繰り返し行わせることが大切である。形だけを完成させようとせず易から難または難から易へ累進的指導が必要である。

 

■思考

 プレイヤー一人一人が練習の目的を知り理解しながら自己及びチームの向上を目指すために具体的なヒントを与え、常に考える「場」を提供し思考する力を啓培する。アドバイスはポイントを明確にし思考する場を設定しプレイヤーが自ら答えを導き出すためのきっかけづくりをする。常に「なぜ」を意識させる。

 

■目標達成プロセス

1.現状の把握

2.目標の設定

3.解決方法の策定

4.実践

5.評価